パリのスリ集団は女の子?盗まれる前に気付いてしまい、お互い特にやることもなく一駅間にらめっこしたおはなし
<目次>
- パリにて夢叶いにけり
- スリに遭わないために
パリにて夢叶いにけり
パリのスリ集団と聞いて皆さんが思い浮かべるのはどんな人たちだろう。
私たちが遭遇したスリ集団はまだ幼さの残る15歳くらいの女の子たち6人組だった。
彼女たちのスリの手口は巧妙だった。
まず私たちよりさきに電車に入り、乗り口を塞ぐように横並びになる。自分たちでバリケードを乗車口付近で構築する。
パリの地下鉄は扉が開いてから閉まるまでがはやい。
乗り込もうとする私たちは
「ちょ、もっと奥入ってくんね?じゃないと扉が…扉がしまって自分の体が……アガッってなる、アガッって」
と、狂気じみた気持ちでいっぱいになる。
人間なにかに追い詰められると、必死だ。
「アカン。このままだと、アガる。」
今まで目撃してきたアガッているひとの走馬灯が流れる。
ダッシュで電車に飛び乗ろうとするも、ギリギリでアガッってなり、電車にはじかれるようにしてフェードアウトしていったアガリスト。
アガッってなりつつも器用に体を食い込ませ電車内への侵入を成功させるアガラー。
アガるは本気だ。その人らしさがあらわれる。
そんなくだらない話はおいておいて…。
なんとかアガリストにならずにすみ、
電車に乗り込めたと思ったのも束の間。
なんの気なしに後ろを振り向くと、
自分の手さげ鞄のチャックを開けようとしている女の子ありけり。
りんごが木から地面へ落ちていくように
山から海へ川が流れていくように
森羅万象、有象無象、天地万物、所持万端、
「私があなたの鞄を漁ることなどひどく、当然のことでありますのよ。」とでもいうように我がバッグを漁ろうとしている。
こんなときに「どう?掘り出し物は見つかりそうかい?」みたいな海外映画風のオシャレな台詞を吐きたい。が、しぶたろーには、そんな瞬発力もなければ、英語力もない。
だが、とある事実に気づき、さすがに、しぶたろー、ツッコミをいれたくなる。
「いや、、、チャック開ける方、逆っ!!!(にほんご)」
あっれれー?なんでひらかないんだろー?、とチャックの開く方とは反対側のカバンの端をイジイジしてるパリの少女。
見つめあった。
見つめあうと嵐のラブソースウィートを流してみるのがにほんの定番か。ツイッターで見たぞ。
恋が走りだ…
さない。
自分のされていることをスッと理解し始める。
やべえ、お土産のマーマレード盗まれたら大変だ。
これってサッカー好きあるあるなのか、自分が変態なのかわからないんだけど、
小さい頃、
サッカー日本代表になって悪質なタックル受けて
「Heeeey?」なにしてくれとんじゃ、って外国の選手や審判に抗議したり、痛がって転げ回るのが夢だった。
だから、よく、エアサッカー日本代表ものまねやってた。
空想上で日本代表になって悪質なファウル受けたていで膝抱えて痛がる。
反則をしないと止められない厄介なプレーヤーになりたかったんだと思う。
一人でやってた。部屋で。早目の中二病。
小学5年生の自分、やっぱり変態。
「 Heeey?」
まさか、あのとき練習してた台詞を外人に使うときがくるとは。
あのとき、憧れた日本代表になれたよ。
日本を代表してスリにあってるんだけども。
スリに遭わないために
今回のできごとで学んだことは夢は叶うということと、海外でスリに合わないために気を付けなければならない以下の三つ。
・チャックつきのバッグで歩く
・日本人は狙われる意識をもつ
・荷物は常に見えるところに
特にチャックつきのバッグだったのでスリにあっても時間稼ぎできた。直接中身を探られてたら確実にホイホイとられてた。
早目にスリだって気付いたので、彼女たちと一駅間一緒に過ごすことになった。
にらみ合いの攻防。
彼女たちは被害者面したり、笑ってみたり、こ慣れてるなあって感じ。
周りは全く無反応。
日常茶飯事なのね。
自分がもし、このまちで育ってスリを行うように育てられていたら、同じように悪びれる様子もなく盗みを働いてたのかななんて真剣に考える。
だから、その自分に向けて訴えるように睨む。
今回の記事は以上になります。